テンション・ノート(仮)


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THE LIVE SUCHMOS

2018年11月26日

 今年の紅白歌合戦への初出場が決まった勢いのあるバンドのライブに行ってきました。素敵なパフォーマンスだったことはあちこちに書かれていると思われるので、ここには少し違う視点で書いてみようと思います。
 おそらく皆さんの目に触れるこのライブの感想は「写真」や「動画」付きだと思います。そこがポイントです。
 会場である横浜アリーナに少し早く着いて入場する際、「カメラを持っていないか?」とチェックを受けて「持っていない」とウソの返事(?)をして自分の席について開演を待っていた私は、揃いのオシャレなTシャツを着た若いスタッフが、これまたオシャレな英表記の「撮影禁止」のボードを掲げて通路を歩き回っている様子を見て、間抜けにも「オシャレなバンドのライブは、こんなところにまでオシャレが行き届いていて、さすがだなぁ」と感心していました。
 凝りまくった演出の素敵なパフォーマンスが終わり、アンコールを待っていた時のことです。
 手拍子の中、開演前と同様にボードを掲げたスタッフが歩き回っている様子を眺めても、鈍感な私はまだ起こっていることに気づきませんでした。なぜか周りの観客が、禁じられているはずのスマホを取り出して盛んに写真や動画を撮影しているのです。「隠すように」と言うより「堂々と積極的に盛んに」です。普通のライブとは違う雰囲気にようやく気づいた私は、改めて歩き回っているスタッフが掲げているボードをよく見てみました。
 驚くことに(恥)、開演前と変わらずオシャレな英表記のボードには「撮影許可」という主旨のメッセージが書かれていたのです。しかも、SNSで使われる「ハッシュタグ」まで添えられて。
 このバンドのライブでは「常識」の演出だったか?は定かではありませんが、入場の際には多くの人がスマホを持っていることを前提に「カメラを持っていないか?」とチェックまでして見逃しておいて、最後にこの演出。(古い言葉ですが)「粋」だと感心しました。
 先端を走る表現者は、どこかの古い組織のように「絶対悪」としてスマホを忌み嫌うどころか、逆手にとって、センスのある自分たちの「表現」に昇華してしまっていました。って、こういうことを書くこと自体がダサいですよね…。