テンション・ノート(仮)


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拙いガラスの粒に望むこと

2019年6月5日

 俺っちが、あの拙いガラスの粒に望むのは、大都会にある有名な建築家が設計したピカピカに輝いている美術館みたいなところで大げさに展示されることなんかではなくて、名前を言われてもどこにあるのか?が思い出せないような貧しい国で暮らしている子どものポケットの中に何かの拍子に紛れ込んでしまって、たまに太陽にかざして眺めたりされながら、石ころや貝殻やなんかと一緒にその子の宝箱に大事に仕舞われたりすることだ。
 多分、どこかへいってしまうものだと思うけど、その子がやがて大人になってその子ども育てている時に、ふと「あのガラスの粒越しに見た美しい空の青」みたいなことを思い出してくれたりしたら、作者として、そんなに誇らしくて嬉しいことはない。